耳抜きについて。

スキンダイビング、フリーダイビング、スキューバダイビング。

海に潜る時には必ず必要なこのスキル。頭で理解していてもできたりできなかったり、不安定だと海に潜る不安材料にもなりますよね。

現在悩まれている方も多いのでは?

今回は「これから素潜りを始める方」、「耳抜きを安定させたい方」のための記事です。

素潜りで20m以深を目指したい方などは、信用できる技術力と熱意のあるフリーダイビングのインストラクターにご相談してくださいね!

まず初めに

素潜りで耳抜きを行うことは非常に重要です。

耳抜きは、潜水中に深度が変わるために発生する水圧の変化で、耳の内部(特に中耳)にかかる圧力と外部の圧力(鼓膜にかかる水圧)を調整し、圧力平衡をとるために行います。

正しい耳抜きをしないと、中耳と外部の圧力が均等にならず、痛みや鼓膜の損傷などのトラブルを引き起こす可能性があります。

代表的な方法

1. バルサルバ法

最も一般的で、初心者にも向いている方法です。

  • 手順:
    1. 鼻をつまみます。
    2. 口を閉じた状態で、鼻を吹くように息を軽く吐き出します。
    3. 空気が耳管を通り、耳の中に圧力がかかります。耳の中で「ポン」や「プチッ」という音がすれば成功です。空気を送り続けて止まるところまで送ります。
    4. しっかり抜けていると水中の音がはっきりと聞こえます。(どの方法でも同じです。)
  • 注意点:
    • 強く息を吹き出さないでください。過剰な力は鼓膜や内耳器官を傷める可能性があります。
    • 瞬間的に圧力を高めるのではなく、一定の圧力をかけ続けるイメージで行うと耳に優しく耳抜きができます。

2. トインビー法

飲み込む動作を利用して耳管を開く方法です。

  • 手順:
    1. 鼻をつまみます。
    2. 唾を飲み込みます。
    3. この動作で耳管が開き、耳の圧力を調整します。
  • この方法は、バルサルバ法がうまくいかない場合や、よりスムーズに耳抜きができる場合に使用されます。
  • 最も耳に優しい方法といわれます。

3. フレンツェル法

少し上級者向けの方法で、喉と舌を使って耳抜きをします。

  • 手順:
    1. 鼻をつまみます。
    2. 喉の奥を閉じた状態で、舌を上あごに押し上げ、喉に圧力をかけます。
    3. 舌の動きで空気が耳管に送り込まれ、耳抜きが行われます。
  • これには練習が必要ですが、素潜りやフリーダイビングに慣れた方がよく使う方法です。習得できれば安定した耳抜きを行うことができます。

4. 抜けづらい時には

  • 顎を動かす: 顎を前後に動かしたり、口を大きく開け耳管付近の筋肉を動かすことで耳管を開くことができる場合もあります。
  • 頭を傾ける: 頭を片側に傾けて耳抜きすることで、片耳がうまく抜けない場合に有効です。

耳抜きのコツ

耳抜きは正しい知識、技術と身体のリラックスが必要で、特に初心者には時間がかかることもあります。以下に、安定して耳抜きができるようになるための具体的な方法やコツを紹介します。

1. 事前準備とリラックス

  • リラックス: 耳抜きが不安定になる一つの要因は、体が緊張していることです。水中でリラックスし身体の力を弛緩させることが耳抜きの成功に大きく影響します。体がリラックスしていると、耳管(ユースタキオ管)が開きやすくなります。
  • 呼吸を整える: リラックスをするために水中に入る前に深呼吸を数回行い、心を落ち着けておくことで、耳抜きがスムーズになります。
  • 潜水反射の利用: これもリラックスするためです。マスクを外し、ノーズクリップを付け、シュノーケルを咥え、水面に顔をつけリラックスします。心拍が下がっていく、リラックスできます。

2. こまめに耳抜きを行う

  • 耳抜きは、水中に入る前や浅い位置でこまめに行うのがポイントです。水圧が強くなる前に耳抜きを頻繁に行うことで、耳の負担を減らすことができます。目安としては水面~5mは50cmごとに。5mから10mは1mごとに耳抜きをするイメージで実施しましょう。耳に違和感を感じる前に耳抜きを終わらせることが大切です。
  • 水中では、深度が少しでも変わった時に耳抜きをする習慣をつけるとよいです。たとえば、1~2メートルごとに耳抜きを行うと、圧力差が少ないため安定して抜けやすくなります。

3. 正しい方法を練習する

  • 複数の耳抜き方法を練習する: 人によってどの方法が合うかは異なるため、バルサルバ法、トインビー法、フレンツェル法など、複数の耳抜き方法を試し、自分に合った方法を見つけましょう。

4. 耳管付近の筋肉を鍛えるエクササイズ

  • 耳管を動かす筋肉を鍛えるエクササイズが役立つことがあります。これにより、耳抜きがよりスムーズに行えるようになります。日常的にできる簡単なエクササイズを紹介します。
    • 顎を動かす: 大きく口を開けて閉じたり、顎を前後左右に動かしたりすることで、耳管が開きやすくなることがあります。
    • 鼻をつまんで耳抜きの練習: 水中ではなくても、陸上で鼻をつまんでバルサルバ法やトインビー法を行い、耳抜きの感覚を覚えるとよいです。

5. 鼻呼吸の練習

鼻腔を広げることで耳管も開きやすくなるため、日常的に鼻呼吸の習慣をつけることが効果的です。また、風邪やアレルギーで鼻が詰まっていると耳抜きが難しくなるので、健康管理にも注意を払いましょう。

6. 柔軟性を高める

  • 首や肩の筋肉が固くなると、耳抜きがうまくいかないことがあります。軽いストレッチや首を回し、耳周りや顎、首の筋肉を柔らかく保ちましょう。体が柔軟であることは、耳抜きの成功に重要です。

7. 適切なタイミングを見つける

  • 耳抜きのタイミングは人によって異なりますが、一般的には圧力が強くかかる前に抜くのがポイントです。抜けないまま深度を深めると耳の中の圧力が高くなり、更に耳抜きが困難になります。水圧がかかり耳に違和感を感じる前に耳抜きをすることが大切です。自分にとって一番耳抜きがしやすいタイミングを見つけましょう。

8. 水圧に慣れる

素潜りやフリーダイビングを始めたばかりの頃は、耳が水圧に慣れていないため、耳抜きがうまくいかないことがあります。潜る頻度を増やし、少しずつ深さを増していくことで耳が水圧に慣れ、耳抜きが安定して行えるようになる場合があります。

9. 鼻をしっかりつまむ

意外と多いのが、鼻をしっかり摘まめていなく、空気が逃げている場合です。日本人は平均的に欧米人よりも鼻が低く、マスクの形が合わずに鼻が摘まみづらいこともあります。柔らかい素材のマスクを使うのも良いかと思います。鼻の付け根を確実に摘まみ空気が逃げないようにしましょう。

10. 無理をしない

耳抜きがうまくできないときに無理をして潜ると、耳に負担がかかり、耳鳴りや耳の損傷などのリスクが高まります。うまく耳抜きができないと感じたら、無理せず一度浮上し、再度挑戦するのが良いでしょう。

これらのコツを実践しながら、時間をかけて耳抜きの技術を向上させることで、安定した耳抜きができるようになります。

まとめ

以上、正しい耳抜きの方法と、耳抜きをするためのコツについて記述しました。

普段から海に行けない方は、特に久しぶりに海に行くと抜けないことなど多いのではないでしょうか?

正しい知識、技術、心身の調和がとれると、ある程度潜るための耳抜きそれほど難しいことではないんです。(20m以深に潜るための技術を除く)

海に行けずとも、陸上でも十分な練習ができますので、日常的に訓練をし身体で習得することが大切です。

Naon-波音-の講習でも耳抜き練習などもできますので、お気軽にご相談下さい。

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